耳ツボダイエット サプリメントは必要ありません

 ある種の耳ツボダイエットで必要とされているサプリメントは無意味です。どれだけ意味がないか、全部説明できます。絶対必要ありません。全て痩せる成分はありません。アロエを飲んで通じが良くなることはあるかもしれませんが、それはダイエットとは言いません。便秘解消です。全ての耳ツボサロンが同じサプリメントを勧めているわけではないのでしょうが、知りうる限り説明してみます。

プロポリス
 一般に免疫効果が期待されているサプリメントです。「食事制限中は栄養が偏るので免疫機能が落ちる。だから必要」といわれるかもしれませんが、プロポリスの期待されている免疫効果は、あるかないかは別として抗がん作用レベルのものです。食事制限中に不足すると思われる栄養素は、ビタミン・ミネラル類、必須脂肪酸、もしかしたら蛋白質くらいのものです。そもそも低カロリー、低脂肪、高ビタミン・ミネラル食というのは現実に可能なので必要ありません。この食事それすらも難しいからサプリメントが必要というのであれば総合ビタミン・ミネラル剤の信頼できるものを自分で購入すればいいのです。必須脂肪酸はサカナ、亜麻仁油で摂取できます。代謝されやすい脂肪なので太りにくいです。

プロテイン
 「食事制限中はタンパク質が不足する。だからプロテインを取る必要がある」うそです。そもそも必須淡白質量というのは思っているより少ないです。そして必要な量のタンパク質を食べている分には太りません。サカナを食べてください。必須脂肪酸も同時に取れて一石二鳥です。どうしてもサプリメントで取りたいのであれば、プロテインでなくアミノ酸をお勧めします。マツキヨなどでアミノバイタル等を買えばいいと思います。アミノ酸よりもプロテインが勝っている点がみあたりません。食事制限で、もしかしたら蛋白質が不足するかもしれないと書きましたが、これはかなり厳密な食事制限をしたときです。

アロエ(アロエべラ)
 ダイエットに何の効果があるのでしょう?ビタミン、ミネラルを豊富に含む?食事でとりましょう。野菜中心、もしくは野菜のみの食事で低カロリー高ビタミン食が可能です。それでも足りないというのであれば総合ビタミン剤をどうぞ。ビタミンB群、C、E、ベータカロチンなど、基本的なものは質の良いものがマツキヨまたは通販で安く買えます。

ビーボーレン
 主成分は花粉。花粉症の人の脱感作に使うのでしょうか?ダイエットと何の関連があるのでしょうか?「高品質のビタミン・ミネラル・アミノ酸をふくんでいる」?なぜ花粉からとるのですか?食事から取ったら都合が悪いのですか?

 以上四点をみるとわかりますが、全てフォーエバー社の主力商品です。つまりネットワーク商法です。なぜ勧められるがわかりますね?(フォーエバー社被害情報はこちら。検索から「え」を選んでFLPを選択)また、この会社は日本痩身医学協会(ヘルシー耳ツボダイエット)と関連しています。(Wikipediaより)耳ツボを紹介するサイトでは、サプリメントなしで痩せられるが、効果が出にくい、リバウンドする、ダイエット中に体調不良になるなどの表現がありますが、どういったサプリメントを提供するかは明記していません。また、サプリメントはサロンで購入するのではなく、患者さんが直接業者から購入してもらうなど、なにやら親切そうですが、これはネットワークの商品だからです。きちんとサロンで手続きすることになります。そしてその何割かがサロンの収益になるのです。

 食事制限中、私は摂食量を減らすというよりも、食事における野菜類の割合を極端に増やしてもらいます。野菜は脂肪分、炭水化物が少ないものを何でも取ってもらいます。すると食物繊維の摂取量が増え、便通が維持されます。脂肪分に関しては、必須脂肪酸以外は取らないようにします。必須脂肪酸とは、このこの場合、1日あたり100~150g位の魚をとることでまかないます。これでビタミン・ミネラル・脂肪・蛋白質が充分になります。穀類、砂糖、乳製品などは取らない方が体重は減ります。また、これらは長期的に見ても健康に害を与えるどころか健康になります。

 耳ツボダイエットを紹介するサイトに「サプリなしで耳ツボダイエットを行っていたら、お客さんの体調が悪くなった。体調を崩させてしまうなど治療者として失格だ。やはりサプリは必要だ」とありました。たしかにこの人は治療者として失格です。治療者の資格をもっていないのでしょう。治療者の資格とは、基本的な生理学的・栄養学的知識を持っている事を意味します。

 そもそも具合が悪くなる食事制限がおかしいのです。私は食事制限=食事療法と思っています。だから私の食事制限を受けた患者さんは、我慢して大変ですが健康になります。私はサプリメントを食事療法をした上で、さらに効果を狙うときに使います。体重減少の時には使いません。サプリメントはいろんな効果的な使い方があります。例えば、疲れているとき、風邪を引いたとき、またはその予防の為にビタミンCやEを高単位で摂る事を進めることがあります。心身症の人にナイアシンを勧める事もあります。どれも安いものですし、患者さんが自分で通販で選んで買える範囲です。こういう基本的なサプリメントは効果がはっきりしています。プロポリス・メシマコブといったものは費用対効果が不明なので勧めません。すくなくともなぜ効くのかがはっきりしていないものは勧めたくないのです。上記四点については全く必要ありません